先日、地方競馬界で通算勝利度数歴代3位を誇る大騎手、石崎隆之氏が引退した。御年63歳でステッキを置いた。実のところ昨年の8月から一切騎乗していないため、実際に鞭を手放したのはもう少し早かったのだが、まあなんにせよ改めて節目の日を迎えたことだし、今後の生活を十二分に楽しんでいただきたい。
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さて、日本中央競馬界が誇る大騎手、我らが柴田善臣騎手(52才)の方は、いったいどんな按配かといえば、この土日には一切騎乗予定がないのだった。
恐らく競馬場にも行っていないのではないか。もともと急な落馬負傷等の代打騎乗を引き受けないような人だし、鷹や釣り等、ピーキーかつ時間を要する趣味を多く持つ彼のことだ。来週の調教が始まるまで、どこかに旅立っているかもしれない。
本人に危機感があるのかどうか。報道でもそうそう真意は語られるものではないから知る由もないが、成績を重視していた昔と違い、今は「純粋に競馬が楽しい」と昨夏の時点で発言していたりするようなので、前向きな人生を歩んでいるのなら、外野がとやかく言うべきでもなかろう。ただ、リンク先を読んでいく限り、結局は息子さんを養う都合があっての現役生活、といったところが見え隠れするので、実際のところは人生が火の車に巻き込まれているのかもしれない。
レジェンド達の成績やいかに
一昨年が16勝で、昨年が7勝。本年はここまで2勝。そして今週の乗鞍は0。
いよいよもって騎手生活の終わりが近づいてきているのではないだろうか。かつて重賞戦線で華々しく活躍していた騎手の晩年をまとめると、以下のようになっている。
氏 名 :引退3年前:引退2年前:引退1年前:備考
小島 太:30勝/261回:25勝/230回:19勝/208回:調教師へ転身
安藤勝己:57勝/361回:46勝/248回:14勝/155回:引退時52歳
田原成貴:47勝/453回:40勝/388回: 8勝/150回:調教師へ転身、30代で引退
武 邦彦:28勝/282回:27勝/234回:16勝/217回:調教師へ転身
保田隆芳:39勝/185回:33勝/206回:33勝/139回:調教師へ転身、引退時49歳
松永幹夫:72勝/727回:85勝/746回:49勝/658回:調教師へ転身、30代で引退
的場 均:65勝/669回:83勝/741回:46勝/601回:調教師へ転身
郷原洋行:30勝/374回:17勝/252回:13勝/195回:調教師へ転身、引退時49歳
中舘英二:52勝/542回:24勝/262回: 9勝/162回:調教師へ転身、引退時49歳
藤田伸二:31勝/460回:50勝/465回:33勝/529回:
増沢末夫:86勝/518回:100勝/564回:87勝/496回:調教師へ転身、引退時54歳
河内 洋:97勝/577回:89勝/623回:61勝531回:調教師へ転身
以上は全て、Wikipediaの数字を全面的に信頼して抜粋したものである。敬称略の旨を恐れながらご了承賜りたい。ちなみに、同じような形式で柴田善騎手について記すと、
柴田善臣:36勝/588回:16勝/475回: 7勝/352回:52歳で現役
となる。本年はいまのところ2勝/59回だ。
分析や考察
調教師になるための試験勉強や諸々の準備などで、騎乗数を意図的に減らしたような例を除いていくと、上記の中で最も状況が似ている騎手は、安藤勝己氏ということになるだろうか。しかしこの二者で比較すると、わかりきったことながら、その内容は雲泥の差だ。安藤勝騎手が51歳で14勝しているのに対し、昨年その歳になった柴田善騎手は、倍以上の乗鞍を手にしながら、勝ち数はちょうど半分しかないのである。2000勝以上を挙げた騎手とは思えぬ負けっぷりだ。あまり良くない表現だが、まさに老いたレジェンドが無様な負けっぷりを晒している状態である。もしも、引退の旬、といったものがあるとすれば、とうに過ぎ去っているのかもしれない。
前向きに考えれば、騎乗数自体が十分に確保出来ているわけだから、体力的にも人間関係的にも安泰だともいえる。上に挙げた12人の名手達のうち、昨年の柴田善騎手がこなした352回以上の騎乗数を、引退の2年前に記録した人は、半分の6名しかいないのだ。これだけ乗れていればまだまだやれる、という見方も出来はしないか。
しかし、上表でも明らかなように、通算1000勝以上を挙げて引退した名騎手たちの中で、7/352という、勝率2%にも満たない成績の晩年を過ごした人は誰もいない。やはり、どう贔屓目にみても、引退の旬は3年前あたりではなかったか。
ご子息はボートレーサーを目指しているらしい。早めのデビューを期待してやまない。
