冷静と情熱のあいだ


勇気ある有志たちのおかげで、YOUTUBEでは寄席芸の垂れ流しを聞くことができる。AMラジオで落語を聞いているかのような、懐かしさすら感じさせる動画である。

タグ的なものは検索にも使えて便利

作業用BGM、というタイトルはよくわかる。何かの作業をしている間に流しておけば良いじゃない、という雰囲気だ。ニコニコ動画等でもかなり古くから検索タグとして成立した単語である。派生タグとして、作業妨害用BGM、というものもある。つまり、作業用で流していたけれど、曲が面白いのかアツいのか、動画として見たくなる演出があるのか、とにかく気になりすぎて作業に集中できなくなってしまうことがある、という意味だ。でもそれくらいの良い曲集ですよ、ということである。

このタイトルが危ない2019のエントリーno.1

しかし、睡眠・ドライブ用BGM、というタイトルは如何なものだろうか。ほとんど全てが漫才やコントなどの芸人動画である。

確かに寄席芸には、語弊を恐れずに申し上げると眠くなるようなものがある。何代目かの入船亭扇橋師など、絶品の芸をもってして聞き手をリラックスさせてくれる。あくび指南をされてしまったら、10回のうち8回は釣られて大口を開けてしまうほどだ。また、腕を組んで目を閉じ、集中して落語に耳を傾ける聴取者もおり、睡眠と芸は近いところにある。

一方、寄席芸を運転中に聞くのは難しい。まず庶民の自動車にはエンジン音がうるさ過ぎる。自然とボリュームを上げざるを得ない。すると今度は、どんな金管楽器でも敵わないような破裂音、大爆笑と大歓声が耳を蹂躙してくる。いい案配で噺を体に入れるため、ドライバーはカーステの音量ツマミを、常に調整し続けねばならなくなる。運転どころではない。ながらスマホもびっくりの構いっぷりである。ドライブに向いているとは断じ難いのではないか。

だいたい、睡眠とドライブが並立するような音楽とは、一体なんなのだ。ドライブに睡眠は大敵ではないか。下手にリラックスして欠伸でもしようものなら、口を開けたまま帰らぬ人となってしまう可能性があるのだ。

この名前のタイトルやタグでは、ドライバーとしては選択を躊躇するだろう。交通安全のためにも、そうであって欲しいものだ。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

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