明日、2019年4月7日は、クラシックレースの第一弾、桜花賞が開催される。やや葉の目立つ桜も出てきたが、相変わらずドンピシャリの手筈だ。レースを彩る桜並木にも注目である。選ばれし18頭の乙女たちについて、各陣営の思惑を掲載していく。日刊競馬、勝馬、競友の情報を統合している。
一枠1番:シェーングランツ(東・武豊)
千島助手=「前走はリズムにのりきれなかった。体が締まって上積みを感じさせ、体調は良好だし力差もないはず。うまくペースが流れてくれれば。」
津曲助手=「前走も良く脚は使っていたけど、上位馬とは位置取りの差もあったね。大一番に向けて、順調に体調が上向いてきました。調教での反応や動きが良くなっているんですよ。それが実戦に行って結びついてほしいですね。楽しみだよ。」
<のじ山の雑感>一見、前走についての価値観がバラバラな二人に思えるが、要は、「リズムにのりきれなかった」し、さらに「位置取りの差もあった」ということだ。「も」が大切である。その前走は元G3、昨年から突然G2に格上げとなったチューリップ賞であった。好スタートを切るも、元来後ろから行くスタイルであったため、被せてきた他馬に進路を譲るかたちとなって徐々に後退。三、四コーナーを10番手で大外から回ることになり、伸びきれずに5着となった。確かに、発馬直後に抑えた騎手によりリズムは崩されたし、本馬の上位4頭は全て、直線に向いた瞬間には本馬より内側を走っていた。今回は当時よりも「体調は良好」で「反応や動きが良く」、最内枠である。巻き返しがあるかもしれない。外を回さずに内で我慢して好位置を確保できるのか、平成の天才騎手によるリベンジに期待がかかる。
一枠2番:エールヴォア(西・松山弘平)
橋口慎師=「前回はスタートして外の馬に寄られ、折り合いを考えて鞍上は大事に運んだが、スタートが速くないので、あの位置になった。スローで展開不向き。最後は力で2着に来た。よく来てくれたと思う。発馬を決めれば、自分で競馬を作れるタイプだよ。大型でフットワークも大きく、スパッとは切れなくても、良い脚を長く使えるのが長所。広い阪神外回りに変わるのはプラス。しっかりしてきた今なら1600mにも対応できる。先行して、持ち味の持久力をうまく生かせればね。」
<のじ山の雑感>前回は中山のG3。スタート直後に左隣の馬が先手を取り、そのまま2番手まで進出。本馬は中団となった。しかし、「寄られ」というほどの不利でもないし、単に出負けしたものと映る。前々回は逃げ切りを見せているので、もともと「スタートが速くないので」とは断じ難い馬なのではないだろうか。よく発言の意図がわからない。もしかしたら、出負けの原因を陣営が把握できていないのではないかとも邪推できる。「発馬を決めれば」、「先行して、持ち味の持久力をうまく生かせれば」と、スタートの不安要因がはっきりしていないために、仮定での発言が多くなっている。しかし今回の舞台は「広い阪神外回り」である。小回りの中山とは打って変わり、「スパッとは切れな」いという弱点はかすみ、「良い脚を長く使える」という利点の効果は絶大となる。馬券の取捨選択では非常に悩みどころだ。
二枠3番:ノーブルスコア(西・岩田康誠)
田代助手=「前走は初めての坂コースだったが、対応してくれた。後ろからシッカリと脚を使い間をシュッと抜けた、収穫ある内容だったね。33秒台の脚を使って、間を割って伸びてきた。本番へ向けて良いレースだった。徐々に大人になって、ためがきくようになっている。周りに左右されず自分のレースができるから、G1でも大崩れはしないんじゃないかな。楽しみはある。」
<のじ山の雑感>「シッカリと脚を使い間をシュッと抜けた」と、まるで勝ったかのような前走はG2チューリップ賞で、3着。中団のやや後ろ、内側で我慢し、直線では勝ち馬の真後ろにつけて一緒に伸びてきた。「間を割って」というが、道筋を作ったのはあくまでも勝ち馬であり、本馬はその後ろを一緒になってついてきたに過ぎない。恐らく、一番人気であった勝ち馬の絶対的な強さを知っており、目標と定めて歯向かうことなく追従しただけである。今回も「大崩れはしない」という発言から、同様に強い馬の後ろを追従し、入着賞金を貰おうという魂胆が見え透いている。しかし、勝負どころで他馬が慌しく動き出していくところに全く動揺せず、「周りに左右されず自分のレースが」できていることは間違いなく、野生的な鞍上と、才女らしき振る舞いの相反する組み合わせに「楽しみはある」。
二枠4番:クロノジェネシス(西・北村友一)
斉藤崇師=「阪神JFの時とは違って、前哨戦という位置づけだったクイーンCはスタートと折り合いをシッカリとクリア。満足の行くレースをしてくれました。今回はG1。しっかり仕上げた。前走時より体の動かし方が良い。(枠順が)ちょっと内過ぎた気はしますが偶数番で良かったですね。相手は強くなるが、流れに乗ったレースができればチャンスはあると思っています。この馬がいつも通りの力を出せれば好レースになると思うので楽しみ。」
<のじ山の雑感>昨年のG1阪神JFでは17番手からの追い込みで2着となったが、前走のG3クイーンCでは、出負けせずに綺麗なスタートを決め、外から力強く差し切り勝ち。今回はその時よりも更に「体の動かし方が良」いのだという。だから前走と同じようにスタートを普通に決めて「流れに乗」り、「いつも通りの力を出せれば好レースになると思う」し、勝てる「チャンスはある」ということだ。枠順も、後入れとなる偶数であり、発馬の質を堅実に維持しそうだ。統計上、阪神1600mで最も有利なのは五枠だからといって、「ちょっと内過ぎた」とは、非常に贅沢な悩みではないか。とはいえ、何が何でも、どんな要因でも味方につけて必勝するのだ、という気概が伝わってくる発言ではある。
三枠5番:ルガールカルム(東・三浦皇成)
田村師=「前走時は体調面で良化余地を残した状態だったが、それでいてハイペースを抜け出す強い内容。好位で運べたし、これなら内目の枠は良いんじゃないかな。今週の坂路の状態を考えれば、終い2Fの時計は優秀で、着差以上の強さだった前回より状態は間違いなく上。上積みは十分。輸送も苦にしない馬で力は出せるはず。どれだけやれるか楽しみ。」
高木助手=「前走は途上で70点の状態だったけど、坂下まで持ったまま。レース内容としては最高だった。上積みがあり、今回は自信を持って送り出せる状態だし、長距離輸送も心配ないよ。」
<のじ山の雑感>前走は3才牝馬限定のOP特別で1着。助手が「自信を持って送り出せ」なかった「70点の状態」だったにも関わらず、道中を4番手につけて先行した後、四コーナーでは馬なりで先頭に踊り出て、そのまま押し切るという強い内容であった。もちろん重賞ではないため、相手との力関係からそういった振る舞いになったのだろうから、その強さがG1でも通用するような絶対のものであるとはいいがたい。しかし今回については「前回より状態は間違いなく上」であり、「上積みがあり、」「自信を持って送り出せる」らしいので、ひょっとするとひょっとして同じようなパフォーマンスが見られないとも限らない。「どれだけやれるか」未知数だ。
三枠6番:ホウオウカトリーヌ(東・大野拓弥)
栗田徹師=「2走前のような競馬がしたかったので、内目の良い枠を引けたと思う。輸送距離等を考慮して栗東で調整しているが、長距離輸送がないので、シッカリ負荷をかけた稽古ができている。追い切った後も良い雰囲気だし、馬体が絞れて毛ヅヤも良くなっているし、体調は上向き。1400mの前走は緩い馬場でグリップが利かなかったので、ダラダラと脚を使ってしまったが、1600mで良馬場なら追走は楽になると思う。ロスなく立ち回れれば見せ場は作れる。」
<のじ山の雑感>「見せ場は作れ」ても決して上位には来られないし、ましてや勝つことなどあり得ないと宣言している。前走のG2は四番人気を背負うも、道中を中団の10番手で過ごし、直線でもそのまま、垂れた馬を交わし切れる馬に抜かれ10着となった。見せ場も何もなかったその時よりは「良い雰囲気」で「体調は上向き」だから、今回は見せ場を、というところなのだろう。
四枠7番:アウィルアウェイ(西・石橋脩)
高野師=「ここならちょうど良い枠だね。前走はやや急仕上げだったし、スタートが良すぎてその分、前半タメが利かなかった感じですね。エネルギーを浪費したという印象。叩いて良化。上向いているよ。道中ムダな力を使わずにリズム良く運んでほしい。運べれば、変わっていいはず。G1を使う以上、望みは捨てていないよ。」
<のじ山の雑感>前走のG2では一番人気。好スタートから先頭を奪うも、すぐに抑えて2番手を追走。最後の直線半ばまで頑張ったが、前は抜けず後ろには追い抜かれ、残り50m付近では完全に馬群に飲み込まれてしまった。「良すぎた」スタートを抑えたことで、「エネルギーを浪費したという印象」が生じたのだろうが、かといって、そのまま行かせていたら逃げ切れたのかといえば、そうとも言い切れなかろう。「道中ムダな力を使わずにリズム良く運んでほしい」と言うのは楽だが、もしまたポンと飛び出して先手をとってしまったらどうするのか。対策は騎手に伝えてあるのだろうか。「急仕上げ」だったものが「叩いて良化」したというが、「上向いている」という発言には何か怪しい、まだ物足りないというニュアンスを感じる。「望みは捨てていない」ということは、近しい者たちの判断では捨ててしかるべき状況である時に、反抗して述べる言葉である。調教師だけが馬の能力を過信しているのでは。
四枠8番:グランアレグリア(東・ルメールクリストフ)
大江原助手=「前走は勝ち馬に早めに並ばれ内へもたれてしまい、経験の浅さが出た感じも、崩れなかったあたり力のあるところを見せたと思う。持ち味のスピードを生かすレースができれば。」
津曲助手=「前走は強い牡馬相手に良い経験になったと思う。先週、今週と後続のプレッシャーを受ける形で調教を積んだ。十分に乗り込んできたし仕上がりに問題はないよ。気持ちにゆとりがあるし、落ち着いてリズム良く走れていました。持ち味の先行力、スピードを生かしたいですね。」
<のじ山の雑感>前走はなんと牡馬相手のG1であり、しかも一番人気を背負っていた。2番手で先行してしっかり粘り込み、3着を確保するという、人気を裏切らない堂々としたレース振りで、まさに令和の女傑である。あれから三ヶ月。ステップレースを踏まずにぶっつけ本番となるが、「仕上がりに問題はない」とのことだから空恐ろしい。しかし、男勝りの性格が災いして、女子たちの間では浮いてしまうことや、男子しか友達のいないボーイッシュガールも往々にして存在することを考えると、案外女性陣の陰湿なイジメにあって失速してしまう可能性もある。「気持ちにゆとりがあ」って、「落ち着いてリズム良く走れてい」て「仕上がりに問題はない」女傑の弱点を探すとすれば、こういった妄想しか最早ないのである。
五枠9番:アクアミラビリス(西・デムーロミルコ)
吉村師=「帰厩後は予定通りのメニューを消化。先週コースでしっかりとやったので、今週は坂路でサッと。ここまで順調にこれた。ジョッキーは真ん中くらいがいいと言っていたので、この枠は歓迎。馬体重の数字以上に体を大きく見せて、毛艶も凄くいい。バネのきいた走りをするのが長所。今回は一線級相手だが、実績馬と互角にやれる切れ味を持っているし、リズム良く運べれば上位争い可能。噛み合えばチャンスは十分にあると思うよ。」
<のじ山の雑感>「噛み合えば」という物言いに若干の不安要素を感じる。なるほど前走のオープン特別では、10頭立ての10番手、つまりは最後尾でぽつんとひとりでレースを進め、最後の直線で大外からごぼう抜きであった。本馬がこの典型的追い込み走法を編み出したのは実に前走からだが、「切れ味」、「噛み合えば」とくれば、やはり今回も追い込み走法なのだろう。かつては、魔の桜花賞ペースといわれたほどの超ハイペース展開となることもあり、今回もそうなれば出番はあるだろうが、ここ最近はそういった傾向も色薄く、果たして、といったところだ。ごぼう抜きのパフォーマンスも重賞戦ではないし、あくまでも「実績馬と互角」の脚となれば、そううまく填まるとも考えにくいが。
五枠10番:フィリアプーラ(東・丸山元気)
菊沢師=「内外は気にしないけど、偶数枠を引けたのは良かった。放牧でリフレッシュし、ここを目標に仕上げた。今週は感触を確かめる調整だが、テンションは上がらず、カイバも食べている。440kg半ばくらいでフックラして良い雰囲気。輸送して環境の変化がどう影響するかだが、戸惑わなければ力は出せそう。中山のマイルより、阪神の外回りの方が競馬がしやすい。決め手が生きる展開なら楽しみ。中団より後方でスムーズに立ち回っていい競馬をしてくれれば。」
<のじ山の雑感>後入れの偶数枠でホッと一息、ということは、ゲート内の窮屈な環境に動じやすいということで、つまり、「環境の変化」で「戸惑」いやすいということではないでしょうか。前走のG3は「中山のマイル」で、後方から四コーナーでは他馬を弾き飛ばして進路を開き、見事勝利を収めている。その当時よりも「競馬がしやすい」のは、それはそうだとしても、同じような芸当ができる心理状態にあるだろうか。
六枠11番:メイショウケイメイ(西・古川吉洋)
南井師=「前走後も順調。今週は予定より時計が速くなったが、無理せずに出たもの。動きは抜群だったね。体重はそんなに変わってないけど、レースセンスのいい馬だし、いつもこのくらいの体で走っているから問題ない。良い状態で臨める。1600mは今回で2度目になるし、対応してくれると思っている。センスの良さを生かし、うまく立ち回っていいレースを見せて欲しいな。」
<のじ山の雑感>センスとは何か、考えさせられる。とにかく、体重は410kg台から成長がなく、チビのままだが「問題ない」らしい。何故なら「センスの良さ」があるからだ。「1600mは今回で2度目になるし、対応してくれる」と胸を張るが、当時11着だったものが、どこまで改善するというのか。でも「レースセンスのいい馬だ」から、きっと大丈夫なのだろう。「うまく立ち回って」くれるはずだ。何しろセンスが良いからである。センスの良さとは天性のものだ。数多の努力家を打ちのめす、天賦の才である。果たしてそんなものが本当に備わっているのだろうか。
六枠12番:ノーワン(西・坂井瑠星)
笹田師=「前走は狭い所から良く伸びてきてくれた。一叩きした事で体が締まり状態は前走より数段にアップして臨めそう。緩さが抜けて、力をつけてきた。(枠順は)特に気にしていなかったが、偶数だし、周りを見ながら運べる良い枠だね。追い切り時計は予定より少し速かったが、無理はしていない。1400mの方が切れる脚を使えるのかもしれないが、1600mでも勝っている馬。相手は強くなるが通用する能力はある。ここでも大差はないはず。流れひとつだと思う。良い結果を期待したい。」
<のじ山の雑感>前走のG2では、18頭フルゲートの最内枠で道中10番手と、最もごちゃつくところで揉みくちゃにされながらも、直線半ばから伸びだして、誰よりも坂を力強く駆け上がって抜け出し、有力馬と同着で勝利をもぎ取った。なんと未勝利戦を勝ちあがったばかりの十二番人気であり、鞍上も重賞初勝利。大番狂わせも良いところであった。その当時よりも「力をつけて」「数段にアップ」しているらしいから、これは侮れない。しかし、「1600mでも勝っている」とはいってもそれは未勝利戦での話だし、「通用する能力はある」とはやや大きく出過ぎではないか。「ここでも大差はない」とは、どういった意味かが気になる。大差負けはありえない、概ね8着以内には入れるはず、ということなのか、それとも、令和の女傑や平成最後の2歳女王と、少しの実力差しかないはず、ということなのか。まさか、ここでも同着で1位を、ということではあるまいが。そして「流れひとつ」で、勝てる、という気持ちがあるのか。「良い結果」とはどこまでのことを指すのか。不透明感満載だが、未勝利脱出までに五戦も要した晩成型少女がもしクラシックの初戦を勝ったとなれば、なかなかの快挙である。
七枠13番:ジュランビル(西・松若風馬)
寺島師=「(枠順は)真ん中より内が理想だったが、スピードがあってスタートが良いから自然と前には行けそうと思う。(前走時より)馬体がフックラして筋肉が増え、上積みはありそうだし、使ったあともテンションが上がってない点は好材料。併せ馬で折り合いがついたし、最後も伸びて中身のある追い切りだった。前走の内容から見て、マイルでもやれそう。メンバーは揃っているけど、スッと先手を取ってどこまで粘ってくれるかだね。展開の助けがあれば。」
<のじ山の雑感>負の要素が様々ありそうだ。枠順にしても、逃げとまではいかないものの、なるべく前に行きたい馬にとって外の奇数枠は不幸に過ぎる。「上積みはありそう」なだけで、あるとは断言できていないあたりも心細い。「テンションが上がってない点は好材料。」という表現は、それ以外の点については好ましくない材料がテンコ盛り、という可能性を匂わせる。「どこまで粘ってくれるか」、という、勝てないのは確実としても、という枕詞がつきそうな物言いと、極め付けの「展開の助けがあれば。」という決まり文句までつけて頂いて、これは買えない。
七枠14番:ビーチサンバ(西・福永祐一)
友道師=「前走は隣りの馬が暴れた影響でゲート内での体勢が悪くなり、タイミングが合わず出遅れた。雪で開催が2日延びていたし、それらを考えれば内容は悪くない。体の使い方やバランスも良くなっていましたからね。追い切りだけではなく、ゲート練習にもジョッキーが乗って、コンタクトを取ってくれた。動きや体つきを見ても上積みを感じるし、折り合いがつくし、馬混みも問題ない。どんな状況でも伸びてくる馬。発馬五分で流れに乗れれば、展開一つでチャンスはあるはず。逆転があっても。」
<のじ山の雑感>前走のG3はやや大きく出遅れてぽつんと最後方。最早これしかないという完璧な追い込みを披露したが、もちろん専業ではないため切れ味劣り、差し馬を追い越せず2着となった。今回は「ゲート練習にも」忙しいベテラン騎手を付き添わせ、入念に取り組んだ。突然のでも追い込みもしっかりこなしたし、さすが「どんな状況でも伸びてくる馬」だ。「発馬五分」で「逆転」なるか。
七枠15番:ダノンファンタジー(西・川田将雅)
片山助手=「今週は馬場を考慮して芝で追い切り、時計は出たがダメージはない。ここを目標にうまく調整ができた。間違いなく前走よりいい状態。マークはキツくなると思うが、恥ずかしくない状態に仕上がった。折り合いも我慢が利いていたし、この舞台も相性がいい。スムーズに運べればいい競馬ができるはずだ。」
中内田師=「チューリップ賞は阪神JFと違う競馬になったけど、前哨戦としては上々。調教では前進気勢旺盛だが、実戦では毎回上手に走ってくれるからね。」
<のじ山の雑感>どうも「時計は出た」ことに若干の負い目があるようだ。「ダメージはない。」と直前の調教としては当然のことを言ってみたり、「調教では前進気勢旺盛だが、実戦では」、と言い訳じみた物言いをしてみたり。こうなると「うまく調整ができた」かどうかが何か怪しい。前走のG2・チューリップ賞では、先行からの抜け出し。その前のG1、阪神JFでは後方からの追い込みと、「違う競馬」だったわけだが、今回はどうするのか。外枠を引いてしまったために恐らく後ろから行くことになるのだろう。一方で、朝日杯FSの3着馬は恐らく先行策だ。平成最後の2才女王は、最後の直線で令和の女傑と邂逅することになるのだろう。果たしてどうなるのか。調教に不安は残るものの、「いい競馬」を期待している。
八枠16番:シゲルピンクダイヤ(西・和田竜二)
渡辺師=「前走は出遅れたが、直線で内にモタれながらも、良い脚を使った。中間からリングバミに換えて、モタれる面もマシになっているし、脚元も問題ない。遅い時間帯に追い切って53秒台。余力残しでいい動きだった。カイ葉も良く食べて体重も460kgくらいに回復。ふっくらとしている。中団辺りで巧くタメて運べたら。スタートだけは決めてほしいね。」
<のじ山の雑感>前走のG2では1馬身出遅れて後方から。コーナーでは内側をロスなく回って、直線で右ムチを何度か入れて外へ出し、大外からのごぼう抜きを図るも、徐々に右へ右へ、内へ内へと行ってしまい、騎手は終始右ムチを入れながらの追い動作となってしまった。それでも2着にまで食い込んでおり、もしも真っ直ぐに走っていたなら、平成最後の2才女王を交わして重賞初勝利となる可能性もあったほどである。今回はこれが解消されたとまではいかず、あくまで「マシになっている」程度らしいが、「いい動き」で「ふっくらとして」おり、再度の上位争いは十分あり得るだろう。なお、「スタートだけは決めてほしいね。」とは、渡辺師が騎手時代の同期であり宿敵であった和田騎手にチクリとやっただけで、そんなに発馬下手なわけではないと考える。
八枠17番:レッドアステル(東・戸崎圭太)
国枝師=「坂路では楽に動けていた。体の小さい馬なので当日輸送がベターと思って早めの栗東入り。環境になじんでいるし、落ち着いて競馬に臨めるよ。道中うまく運べれば、いい脚を使ってくれそう。」
堀切助手=「この馬なりに食べているし、少し体重が減る程度で至って順調だよ。まだ発展途上の状態でも好内容の競馬ができているし、この相手でどれだけやれるか見てみたいな。」
<のじ山の雑感>非常にのほほんとしているが、それもその筈。もともとが実力馬なわけではない。前走の牝馬限定オープン特別でなんとか2着となったため、桜花賞への優先出走権を手に入れたから、それを行使する、というだけの話である。その前走では1着馬から力の差を見せ付けられており、逆転の目はまずない。それでも調教師は色々と気を使い、既に栗東入りさせており、「環境になじんでいる」と自分の策に胸を張るが、助手は正直で、「少し体重が減る程度」と口を滑らせてしまっている。食べ盛りの若いアスリートが、「食べている」けど「体重が減」っているのに、「至って順調」なわけがない。精神的に様々な緊張や不安があるに違いないのである。ただ、あまりに素直で正直な助手の、「どれだけやれるか見てみたいな」というあっけらかんとした発言には共感を覚える。
八枠18番:プールヴィル(西・秋山真一郎)
庄野師=「思ったほど馬体減りがなく、前走後も回復は早かった。いい状態を維持している。外枠だけど、レースセンスの良さを生かして、好位で壁を作れればね。実績的には1400mに良績がある馬だが、レースが上手で1600mにも対応できると思うよ。3走前のようにうまく脚をためて運べれば。」
<のじ山の雑感>他の馬でもあったが、「センスの良さ」とは一体なんなのか。十二番人気の大穴とピッタリ同着で重賞を勝つのは、ある意味センスの賜物と言えそうな気もしなくはない。しかし、外枠も外枠、大外枠からの出走で、どのように「センスの良さを生かし」たら、「好位で壁を作れ」るのだろうか。見てみたいものだ。3走前はG1である。今回と同じ舞台で4、5番手を追走しそのまま5着であった。その時「のようにうまく」、ということは、今回も掲示板なら御の字ということだろうか。しかも当時は二枠3番での出走である。同じ「ようにうまく」いくとは思えない。しかし、センスがあるからきっと大丈夫なのだろうな。センスってやつはすごいな。
