一確チャンスは本当にチャンスなんだから


何は無くとも、アナザーハナビ弥生ちゃんである。設定6とはいわずとも、恐らく設定1ではない、悪くは無いです勝てませんが、といった台を打って来た。感想をつらつらと綴るには少なすぎるくらい、実に822回転だけお付き合いしてきたのだが、やはりあまり芳しくない。ちなみに、初当たり確率は1/205.5、チャンスゾーン突入率は、当たり直後を除いて1/117であった。

基本的なゲーム性をおさらい

弥生ちゃんは、100枚取れる擬似ボーナスを連荘させていくスタイルの機種である。うる星やつら3のようなものだ。100枚取っている間に、ハズレを何連続かで引くとか、レア役を何連続かで引くなどすると、即連が確定したりする。15連以上かますこともありえる機種で、上手く運よく有利区間を股に掛けていけば、5000枚近くを獲得するのも夢ではない。らしい。

擬似ボーナスの「弥生タイム」へは、主に玉貼りチャンスというCZを経由してたどり着く。上掲の写真では、右下の青色っぽいランプで控えめに自己主張されているCZだ。ちなみにランプの色は白とか赤とか、期待度によって色々あるようだ。「赤なら実践上100%当たります」と書いている老舗攻略雑誌のWEBサイトもあるが、普通に外れたのでご報告しておきます。

とにもかくにも、通常時はまずレア小役を引いて「玉貼りチャンス」に突入させ、そのCZ中にさらにレア役を引いたりすると、当たる、という構図である。

打つのに必要な知識はこれだけである。昨今の6号機と比較しても非常に単純だ。

それはいい。ここまでについては特に異論はない。この機種が抱える大きな問題は、次の3つである。

問題点1.音と光が困窮している

まず、予告音と消灯の絡みが面白くない。ハナビシリーズで、ドンちゃん方面に逃げず、あえて液晶非搭載で挑むからには、伝統の消灯演出はもっと凝るべきではなかったか。有効ラインは中段1つのみなので、消灯の際はリールの上下段を消すことが出来るが、これが汚らしい。パネルも併せて消灯した方が見やすいし、説得力があった。また、小役が揃った時のリールフラッシュも特段ハナビらしいことがなく、拍子抜けである。

レバーを叩くと、パネル上のランプが1つ、2つ、と順に点灯したりする。いわゆる大都技研のシェイクシリーズやクレアの秘宝伝シリーズで採用していたカウントダウン演出のパクリであるが、後発の癖に数が少ない。3つ点灯でもう熱い。10年以上前のシェイク2でさえ5つのステップがあったのに、その劣化コピー振りたるや、ランプ絵柄のテキトーさと相俟って、チープなことこの上ないのであった。

問題点2.揃えられる擬似ボーナス、揃えられない擬似ボーナス

次に、直撃ボーナスの存在である。弥生ちゃんでは、上掲写真のように、ボーナス図柄を揃えて擬似ボーナスに突入するという方法と、CZ中のレア役、もしくは低確率ながら通常時のレア役から擬似ボーナスが直接当選するという方法の2つがある。つまり、ボーナスを揃えていなくても、擬似ボーナスが始まることがあるのだ。これは地味に痛いポイントである。

特定の図柄を意識して揃えなくてもATが始まる機種として、ミリオンゴッドシリーズ等が挙げられる。液晶上で奇数図柄が揃えばそれでよく、本物のリールなどその瞬間は見向きもしない。しかし、あの機種たちには上位ボーナスの存在がある。赤7であったり冥王であったり、GODだったりもするが、とにかく、特別嬉しい大当たりの時に、リール上で特定の図柄を揃えるのである。快感があふれ出る。

さて弥生ちゃんである。CZ中や通常時に突然、右からボーナス図柄を押すように指示され、言われるがままに右に3連弥生を押し、止まれば擬似ボーナス確定、止まらなくても、中、左と弥生図柄を狙い、無事に揃えばそこでも擬似ボーナス確定となる。100枚ゲットだ。

しかし、レア役からの直当たりの場合は、その、ボーナス図柄を押すように指示する演出すら発生せず、そのまま100枚の擬似ボーナスが始まってしまうのだ。揃えていないのに、当たりが始まるのである。

ミリオンゴッドシリーズのように、ボーナス図柄が揃うATと揃わないATとで、獲得枚数や連荘確率等にあからさまな差が生じたりするのならば、弥生図柄を揃えない擬似ボーナスの存在も許せるが、もちろん弥生ちゃんはそうではない。逆押しでボーナス図柄を揃えさせた擬似ボーナスと、レア役からの擬似ボーナスは、全くの同価値なのである。そこに違和感を抱かずにいられるものか。ボーナスは100枚分の一種類しか搭載されていないのである。なら、全て揃えさせてくれよ。どうしてもすぐにボーナスを始めたいんであれば、せめて、最低限、沖トロみたいにフリーズ演出を使って自動でボーナス図柄揃えて、その様を見せ付けてから、擬似ボーナス消化を始めさせてくれよ。最低限。最低限な。

問題点3.ATがすぐ終わる

なにより最大の欠点は、1ゲームあたりの純増枚数が多いことである。4.5枚も増える。5.5号機以降と異なり、数ゲームでモリモリ増えるATが搭載可能な6号機は、なんならそれだけが取り得といった風潮すらあるが、こと弥生ちゃんに関しては大失敗だ。弥生ちゃんの擬似ボーナスは、差枚管理のATである。払い出しが100枚に到達したら強制終了だ。今までの5号機と違って毎ゲームもりもり増えるといっても、終点がすぐそこに見えているのである。単純計算で25ゲームも回せない。あっと言う間に終わってしまう。

「いやいや、あくまで弥生ちゃんに搭載されているのは、擬似、ボーナス、なんだから。BIGボーナスが20ゲームちょっとで終わるのは一般的なことだから。別にいいでしょうよ。」という向きもあろうが、残念ながら承服できない。何故なら、擬似ボーナス中の引きによって連荘確率が左右されているからである。ハズレを連続で、レア役を連続で、という諸条件があるのだ。

弥生ちゃんはその高すぎる純増速度により、レア役はおろか、ハズレを引く暇すらもなく擬似ボーナスが終わってしまうのだ。「よし、ハズレきた。もう一回!」というハラハラドキドキ感は、殆ど味わえないのである。

獲得枚数を150枚に増やし、一方で1ゲームあたりの純増枚数を3.0枚くらいに下げ、その分、ハズレやレア役での連荘当選率も悪化させた方が良かったのではないか。擬似ボーナスのゲーム数が長くなり、ハズレやレア役に一喜一憂する、楽しい当たりの時間をより深く満喫できたはずだ。

有利区間の最長は1500ゲーム、という制限に怯えて純増を多めにしたのかもしれないが、その可能性は低いだろう。ざっと考えてみる。

単純計算が続いて恐縮だが、純増4.5枚だと有利区間の上限とされる2400枚まで、僅か530ゲームちょっとで届く。100枚の擬似ボーナスが23連荘したとして、間に挟まるCZが毎回44ゲームほどを浪費すれば、残り約970ゲームを上手く使いきれる。

さて、もし、純増3.0枚、擬似ボーナス150枚で1セットだったとしたらどうなるか。実のところ特に問題がないのだ。2400枚まで16連荘、150枚手に入れるのに50ゲームかかるから、50×16で800ゲームの有利区間が消費され、残り700ゲームが全てCZだったとして、700÷15は約47ゲームとなり、現行の弥生ちゃんと殆ど変わらない。

恐らく今回の4.5枚は、「どうだ、6号機だって凄いんだぞ!速い!うまい!高い!」という印象を刷り込むために設定されたものと思われる。率直にいって無様である。

ハナビというよりはゴッド

もっと視野を広げてみてみると、この機種はミリオンゴッドの後追いをしたかったことが判る。レア役を引くと、予告音や消灯などで、CZに入るかどうかを煽ってくるのだが、そのやり口が、キンキンと鼓膜を打ち破ってくる神様たちに似ている。しかし、上述のチープさが遊戯者の興奮を冷めさせてくるし、そもそも、予告演出の幅が狭すぎるゆえに、チャンスなのかどうかわからぬままにチャンス目が出たり、緑役が揃ったりする。そして緩い煽りが5、6ゲーム続く。結果的になんでもない。その繰り返しが続いていく。天井はない。

でかめのWINは、ちと嬉しい

良い点が一つある。写真にも載っているが、押し順ナビのランプがW、I、Nとなったり、Y、A、Y、O、I、T、I、M、Eと流れていったりするところである。この演出は、見やすいし楽しいし、おっと思わせてくれるし、良い出来だと思う。

5号機が滅んだ時にどうなっているかだが、少なくとも現状においては生き残りが難しい機種であろう。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

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