やっちまったB2・生田波美音選手、福岡でゴンロクを並べ終わる


2019年6月18日より、ボートレース福岡では「九州プロレス杯」と題した一般戦が開催されていた。前節で転覆とフライングを同日にぶちかますという御転婆ぶりを見せ付けていた最年少選手、生田波美音氏(16歳/B2/124期/東京)は、F後初の実戦を迎えることとなった。その走りぶりに注目が集まるところであったが、トリッキーな福岡の水面も相まってか、成績は惨憺たるものであった。

恐れていたことが起きた

BOATRACEオフィシャルウェブサイトより。

上掲の右側部分、一番下の段が着順であり、舟券絡みまであと一歩と迫ったレースすらあった前節とは打って変わっての5,6着祭りがまず目に入るが、問題はその一つ上段に居並ぶ数字たちである。これらはスタートタイミングを表したものだが、その全てが.20より遅いという有様で、さらに七割近くは.25よりも遅いのだ。当然、多くのレースで最後方スタートとなっており、捲るどころか隣の艇と競ることもできず、漫然と直進し、届くはずのない差し旋回で実況映像から外れていくのだった。

フライングの後遺症恐るべし。いったい、ボートレース鳴門の主催者からどれほどのお叱りを受けたのだろう。ゼットンをも凌駕する温度のお灸でも据えられたのだろうか。それとも、瀬戸内が誇る大渦よろしく秘所をかき回されたのだろうか。とにかく、よほど精神的に堪えたものと思われる。

とにかく無事故第一。自分が勝つより成績を上げるより少しでも前に行くより、何はなくとも、先輩諸兄を斜め前に見ながらスタートを切ること。それだけを心に強く意識したと思われる節間であった。道中での敢闘精神は相変わらず豊富で、なんとか5着を2回捥ぎ取っているものの、スタートがこの体たらくでは、上位到達は望むべくもない。

デビューから僅か数ヶ月、完全に心が死んだかと思わせる臆病っぷりに、落胆を隠せないファンも多かったのではないだろうか。

いや、もしやこれはプロレスか

しかし、嘆いて見限るのは時期尚早である。というのも、生田選手は、彼女なりの小芝居を打っていたかもしれないのだ。いわゆる、反省してますよ、というポーズだ。「ほら、もうスタートに凄い気をつけてて、フライングとか絶対しちゃ駄目だって、もう、怖いくらいで。ね、ほら、.31とかの時もあるんですよ」と主催者側にアピールしている可能性がある。勝ち気に溢れる闘志を隠して隠して、闘争心を必死に押さえ込み、安い芝居を演じているのである。

何故そんな根拠もない推測を述べるのかといえば、最終日のスタートで、なんだかボロが出ているような気がするからである。

最後に首をもたげた本性

BOATRACE BBより。

今節の最後の最後だけ、生田選手は.14というまともなスタートタイミングで締めくくっているのだ。隣の5号艇より.01遅いとはいえ、センター勢よりも舳先一つ抜きん出ているのである。スタートに対して我慢に我慢を重ねてきた生田選手が「まぁ、最後だし、いいか、ね?」と心中でボソッと呟いて、真っ当なスタートを披露したのではないか。今までの.25といったスタートタイミングは全て芝居だったんだけれども、最後の最後で我慢が利かなくなり、ボロが出たのではないか。そう思う人がいても不思議ない程度に、今までとは一味違ったスタートであった。

小娘にそんな肝っ玉などありはしない。か?

もちろん、齢16のあどけない少女はそんな小芝居など演れるほどまだ器用ではない、という考え方も正常だろう。特に、この時は1号艇を除いた5艇のスタートがほぼ揃っており、生田選手はただただ5号艇のやや斜め後ろを付いて行ったに過ぎず、結果的にまともなスタートとなっただけ、という見方が普通の考察かもしれない。

確かに今節これまでのレースは、一つを除いて以下のように酷いものであった。

スタート時。下段が6コースの生田選手、上段が5コースの選手。

隣の艇よりやや遅く、という意識が徹底されたスターティングである。生田選手は今まで、とにかく5コース艇の斜め後ろでスタートを切っていたし、そうするようにしていたのだ。

女は常に魔性

しかし、節間で唯一、この法則を免れたのが、最終レースの一つ手前であることに、何か引っかかるものがありはしまいか。

4日目第7Rのスタート時。

上掲の通り、この時に5号艇6コースだった生田選手は、隣の5コース6号艇より.01だけ前に出てスタートを切っているのである。今まで盲目的に追従して安全運転に徹していた筈の生田選手が、ここにきて、最終日の前日に、少し冒険を試みているように見えはしまいか。

それを受けての最終レースだ。意識的に出遅れている自分に嫌気が差し、不満が溜まり、我慢も限界であった。前日のレースは、明らかにFを切ることがないとわかり切った中でのちょっとした勇み足であったが、無事にうまくいった。では今度はもう少し、と欲が出てくるのが一端のレーサーだろう。それが.14という数字に表れたのではないだろうか。

生田選手は、今節終盤まで、自分の本心を裏切っての死んだフリに徹していたのである。まさに自分を押し殺していたわけだ。最後の最後に、屍が首をもたげた。

次節は来月。2019年7月13日からボートレース浜名湖で開催される一般戦、「ニッカン・コム杯」である。今節の動向から察するに、早々に完全復活するものと思われる。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です