東北自動車道の佐野ラーメンを食わせるSAで勃発した、使用者と労働者の戦争が長期化している。ストライキが起こってはや二週間。労働者の月給は間違いなく半額以下となる状況下に至り、争議行為はまさに断食覚悟の泥沼の聖戦に突入しつつあるといえる。
長期化の原因は、間違いなく使用者側の蛮行である。法律上、使用者に許された争議行為は、ダサく述べて「作業所閉鎖」、英語にすると少し格好がついて「ロックアウト」しかない。「こんなんじゃ働かねぇよ!」と喚く労働者を、「じゃぁもう来なくていいよ」と事業所から締め出すのである。
常識的に考えて、使用者にはやたらと不利な戦法しか許されていないことがわかる。そもそも、働かないと宣言している人に、働くな、と強く伝えることにどれほどの効果があるというのだ。しかし、法は守るべきであった。
今回ケイセイフーズ側がとった行動には、解雇した労組首班の二人を呼び戻す、という後の祭もたいがいにして欲しい愚行の他に、新規従業員の雇用、がある。これが頂けない。争議長期化の主因ともいえる。
真摯に労働者の要求を一部のむ、もしくは作業所全体を閉鎖して我慢比べに持ち込むという正当な手段を取らず、とりあえず新しい労働力を買ってやり過ごそうとしている。
これほど不誠実かつ非効率な対処方法があろうか。まったくの新人が、仕事を教わる先輩が一人もいない環境下で、ただただ慣れない機械を用いて佐野ラーメンとソフトクリームを作る。時間もかかるし味も悪い。それでも必死に頑張っているお店、という印象が滲み出れば良いが、現実は、代替労働力はいくらでも沸くという使用者の傲慢な態度が透けて見えるばかりで、世論の評価はどんどん遠のいていくのであった。
各報道機関は、
佐野SA社長に新疑惑 墓購入希望名簿に署名指示か(日刊スポーツ)
佐野SAスト「1日800万円の損害」会社が賠償請求におわす 組合側は「正当な権利」と反発(弁護士ドットコム)
といった、使用者への反感を煽る付加要素を事件に振りかけてご満悦だが、そもそもこの有事被害拡大の根本にある、新規雇用を行うという使用者の非人道的行為を、もっと切実かつ痛烈に批判すべきではないのか。
そしてさらには、本来ならば職場の友達になったかもしれない既存労働者を出し抜き、その苦しみへも全く思いを馳せず、フラフラとブラック企業の求人に応じたサイコパス的新人労働者どもの振舞いを、もっと強く非難してもいいのではないだろうか。
何もかもがセクハラパワハラと捉えられ得る時代が来て久しいなかで、この程度のストライキがこれほど長期的に盛り上がるのは情けない。