中央競馬の長老、柴田善臣騎手、一日二勝で二桁勝利を達成!


2019年8月18日の新潟競馬場には、台風一過と共に真夏の豪快な暑さが戻ってきたが、至極の大ベテランにはまたもや春が来た。先月末頃に53回目の誕生日を迎えた柴田善臣騎手(関東/フリー)が、騎乗した五鞍のうち二つで勝利を挙げ、今年の通算勝利度数を10まで押し上げたのである。

まずは三年前の自分を目指して

一年の後半に入って久しいところでようやく二桁、という見方も出来ようが、柴田善騎手の近年成績は、一昨年の16勝に対して、昨年は7勝という低調も低調、最低調な実績にまで落ち込んでいたのである。8月で10勝とは、確かな復調を感じさせる勝ちっぷりなのだ。

おまけに今年は、上述の二年間では果たせなかった重賞制覇も成し遂げているのだから、これは最早、のりに乗っていると述べても過言ではあるまい。意外なことに長い騎手人生で福島牝馬ステークス(G3)での勝利は自身初とのことで、まだまだ奥が深い競馬番組の攻略に勤しんでいただきたいものだ。

二つの勝ち星は実力上位馬、しかし初騎乗

肝腎のレース内容だが、勝った二走はそれぞれ三番人気馬、一番人気馬とコンビを組んでおり、馬の実力そのものが上位にあった。しかし、だからといって誰が乗っても勝てるというわけではあるまい。なにしろ二頭ともテン乗りであり、特に一番人気のストロベリームーン(牝5歳)が出走したのは、メインレースのOP特別である。緊張したり気負い込んだり、若手騎手ならば体が固くなってしまいそうな条件だ。

実力を確かに引き出す、ベテランの味

しかし、歴戦の雄である柴田善騎手には、腰痛の不安こそあるものの、気持ちの上で体がこわばる等ということまずない。それを証明するかの如く、ストロベリームーンは外枠から先行集団へと加わり、そのまま終始外々を回らされるも、焦らず騒がず、直線でしっかりと前を差し切って見せたのであった。

以下2枚とも、JRAの公式HPより。画面左、3~4コーナーを一番外で回らされている桃色帽子の白赤服が、柴田善騎手。
抜け出していたはずの逃げ馬を、きっちりと交わしてゴール。

新潟のダート1200mは芝コース発走であり、スピードが出易い芝部分を比較的長く走れる外枠の馬が有利といわれるが、柴田善騎手とストロベリームーンは、別に発走直後から先頭を取りに競り賭けに行くわけでもなく、かといってコーナーで外々に膨らむのを嫌ってあえて後ろに控えるわけでもない。確実な勝利に固執して騎手が奇をてらうと碌な事がないのである。無理に押さず、無理に引かず、リズム良く先行して勝ちきる。それが他馬よりも長い距離を走らされる不利につながろうとも、真に実力が備わった馬であれば、十分に可能なはずだ。

柴田善騎手は、初騎乗にも関わらず、しかも昇級初戦で通用するかどうかの試金石ですらあったストロベリームーンの潜在能力を厚く信頼し、結果として真価を見事に引き出してみせたのである。

まだ勝てる、いつまで勝てる?いつまでも勝てる?

御年53歳となっても、柴田善騎手は相も変わらず、第一線級の騎乗センスを保持している。この日の最終レースでは二番人気馬を着外に沈めるというオチをつけてくれたものの、このまま岡部元騎手の持つ、中央競馬における最高齢騎乗記録を塗り替えに行ってくれるのではと、ファンの期待は高まるばかりだ。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

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