柴田善臣騎手、今年もJRA年間20勝を達成


夏までの輝きが秋の訪れと共に名残りなく消え失せ、9月は0勝、10月も僅か1勝に終わってしまった、日本中央競馬会が誇る現役最高齢騎手の柴田善臣氏(55歳/東/フリー)。長老格ともなると、少し結果が出なくなっただけで外部からの呼称はベテランからロートルへ、老獪から老害へと変遷し、内側からは「いよいよか」等とまことしやかに囁かれてしまうのだから世知辛い。

高素質馬で2歳戦を勝利!!

JRAの公式動画より。決勝線。

しかし、晩秋の晴天に恵まれた2021年11月6日。今月の初開催を迎えた東京競馬場、柴田善騎手にとっても今月の初騎乗となるその第2競走で、いきなり彼は白星を飾ったのであった。これが今年のJRA20勝目で、地方を含めた年間勝利数は22となった。昨年も11月が終わるまでに22勝を挙げているから、帳尻も合って来て、復調の兆しを思わせる。

柴田善騎手に朝一番の勝利をもたらしたパートナーは、ロジレット(牝2/父ロジユニヴァース/稲垣厩舎)であった。まだキャリア二戦目で、これが初勝利となる。デビュー戦でも柴田善騎手を背に3着入線としており、本走でも三番人気に推されての、順当勝ちであった。

広く使える東京マイル、そして絶好枠。

舞台は芝の1600mの牝馬限定戦。当然に未勝利クラスの戦いであった。柴田善騎手とロジレットは、一枠1番のゲートを引き当てて、発走を待った。東京開催自体は10月から始まっているが、11月に入って初日の本日より、芝コースは内ラチが外へ3mほど移動していた。つまり、一番荒れて走りにくくなっていた内側の走路が、柵の向こうへと居なくなったというわけである。秋の初開催から一ケ月も経とうかという中にあって、本日は最内枠でも充分に実力を発揮できる状況下にあったというわけだ。

発走となった。他の馬とほぼ足並みが揃った出足であったが、ロジレットの素質溢れる加速力によって、あわや先頭か、という前進気勢を見せる。逃げたい馬が外から塞いでくれたため、体よく二番手に収まり、虎視眈々と三四角をひた走ることとなった。

JRAの公式動画より。画像下、ゼッケン1番を身に着けたのがロジレット。鞍上、柴田善臣。

若い、しかも先行した牝馬とくれば、ともすれば暴走しがちな印象を受けるが、そこは大ベテラン柴田善騎手と、高素質馬のロジレットであった。四角までなんとか堪えて見せてくれる。

JRAの公式動画よりs。画面中央、白帽をかぶった柴田善騎手と、それを背負うロジレット。

直線に出ると、流石に我慢できないといった体でいよいよ先頭へと躍り出る。逃げ馬は力尽きて失速してしまったのだから、もう仕方がない。

JRAの公式動画より。ゴールまで残り400mを切ったあたり。先頭を走っているのがロジレットと柴田善騎手。

仕方がない、というのは本当に仕方が無くて、実のところもう少し進出は控えた方が素人目にも安全に映った。なにしろ東京競馬場の直線はやたらと長いのである。後続馬が一斉に襲い掛かってくるリスクは甚大だ。

しかし、ここからのロジレットは本当に強かった。最後に坂があることを全く感じさせぬ、先行したとは思えぬ末脚の確かさとその長さによって、追いすがる一番人気馬をクビ差でしのぎ切ったのだ。あと100mコースが長ければ、恐らくは捕まっていただろう。いや、もしかしたら残りの距離を見越して鞍上の大ベテランがゴーサインを出していた可能性もあり、1800m戦になれば、また違った味わいの走りで勝ち切ったのかもしれないが、とにかく、今後の想像を豊かに膨らませたくなる程の強さを感じさせる勝ちっぷりであった。来年の牝馬クラシック戦線に向けて、やや楽しみな一頭といえるかもしれない。

近年、前年比で勝利度数を上回るのがセオリーだが…

さて、去年は11月15日に年間22勝目を挙げた後、落馬骨折して戦線離脱してしまった柴田善騎手。今年は無事に過ごして、昨年よりも多くの勝ち星を掴み取って欲しい。可能ならば有馬記念等でステッキを手にしたご尊顔を拝したいが、果たしてどうだろうか。無事是馬乗り。期待して見守りたい。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

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