やはり、というべきか。以前にも似たような状況下での勝利があったが、元最年少レーサーの生田波美音選手(20歳/B1/東京/124期)は、優出を逃した節の最終日で勝利を挙げ、一節間での自己最多勝利記録を更新した。
残念選抜、その前に一般戦。
2022年9月10日。ボートレース江戸川で開催されていたG3オールレディース、江戸川女王決定戦KIRIN CUPは、雨にも風にも負けず無事に開催最終日を迎えていた。既報の通りまたしても優出のチャンスをものに出来なかった生田選手は、華々しく優出インタビューに応じる六人を尻目に、一般戦へ臨むところであった。

メンバーは上掲の通りで、オールB級の一戦である。この中で、今シリーズ三勝を挙げているのは生田選手ただ一人。すぐ内側には奇跡の連敗女王にして元最年少レーサーの白石有美選手(24歳/B2/東京/118期)が配されており、今節も九回乗って最下位六回という見事な低調ぶりであった。外には、初日二日目と連勝するもその後でガタッと調子を落として舟券に絡めなくなった万年B級選手が五号艇、準優勝戦で共にしのぎを削り4着入線となった選手が六号艇に乗船しているから、生田選手の腕がメンバー随一とは判断し難い。しかし、舟券師たちから好評価を受けていたことは、下表を見れば明らかであろう。

本走は安定板を付けさせられての勝負となっている。その場合の定説として、荒れにくく内側の艇からキッチリ決まる、ということがよく言われるが、その説を信望する舟券師たちが多いのか、一番人気は1-2-4、二番人気が2-4-6で、何れも生田選手アタマの舟券ではないものとなった。しかし1着にはならないとしても、生田選手がなんらかのかたちで舟券には絡むのではないか、と勘繰る舟券ファンは多かったようで、それは上述人気の二三着に生田選手の四号艇が指名されていたことからも察せられる。
勝つ。ヤケクソに、勝つ。
しかし、その大方の予想も少し当てが外れていた。即ち、生田選手は前日の準優勝戦、あのA級選手たちにいいように振り回された苦い経験をへた直後であり、心身ともに強烈な集中力と反骨精神が宿っていたのである。

トップスタート。それも今節の生田選手が記録した中では最も早い、.05の好スタートである。一走目の一号艇を2着に残した白石有選手も意地を見せ、.06を記録したことも意外や意外だが、全く仲の良く無さそうに見える二人に、同支部の50kg台女子として何か結びつきがあるのだろうか。絆感のあるスターティングではあった。
さて、スタートタイミングこそは仲良しこよしの三、四号艇であったが、準優最下位の怒りに燃える生田選手は、そこから先輩連中を一切気にも留めない大捲りを敢行。一息で勝負を決めた。




これで今節は四勝を挙げることとなった生田選手。差しに捲りにと大活躍であった、と締めてもいいのかどうか、若干の疑義はあるが、実力が着実に向上しているのは間違いない。A級レベルにはまだ及ばないものの、B級の中では巧者と呼ばれる人々の仲間入りをしつつある。
願わくば、賞レースの段階でその全力を存分に発揮して欲しいところなのだが。焦らず今後に期待していくべきで、いま少しファンは忍耐を強いられることだろう。