生田波美音選手、今度こそ優出かなうか


新潟出身であるが故に、地元、と呼ぶにはややおこがましい大都会東京の、しかしちょっと外れのかなり特殊な水面を擁するボートレース江戸川で、愚行を重ねて惜しくも優出を逃した生田波美音選手(19歳/B1/124期/東京)。あれからはや一月以上。彼女は持ち前の強気と負けん気で、挽回の好機をもぎ取りつつあった。

今度は埼玉、今度こそは…

2022年3月2日。埼玉県のボートレース戸田では、ヴィーナスシリーズ第22戦・第55回日刊スポーツ杯が開催の三日目を迎えていた。ここまで生田選手は三走し、2着、5着、そして一号艇をきっちり操舵しての1着と、悪くはない結果を残していた。この日は予選を二走、その一走目は以下の面々と春の水面を争うこととなった。

BOATRACEオフィシャルウェブサイトより。

一号艇には同支部の大先輩。ここ二十年近くB級に甘んじているが、これまでの永きに渡るレーサー人生において、優出の経験は数十回、G1級レースでの勝利も一度や二度では済まない、かつてのA級選手である。二号艇こそB2級だが、三号艇生田選手のすぐ外には、現A級選手が鎮座している。外二人は共にB級であることを踏まえると、舟券攻略のセオリーとしては、四号艇A級選手のカド捲り、生田選手がスタートを決めて捲りにかかるなら捲り差しの、何れにせよ4アタマか、若しくは一号艇が粘り切っての1-4隊形か、といったところだろうか。

軸に悩む面子には……

この四カド濃厚なA級選手、直近の成績を見るとやや不穏である。開催二日間で既に2勝、と見ると素晴らしいが、勝った直後に一号艇へ乗船しては最下位に敗れており、翌日も気持ちを引きずったのか5着入線、かと思えば二走目では捲り差しを決めて白星を手にしており、舟券師たちを翻弄してくれたのである。

一方、一号艇の大ベテランは堅実で、外枠でも内枠でも、ここまでオール舟券絡みとしており、全国勝率3点台とは思えぬ安定ぶりであった。ここは4-1よりは1-4か、揺れに揺れたオッズは、最終的に以下のように定まった。

BOATRACEオフィシャルウェブサイトより。

なんと一番人気は生田選手アタマの3-4-1であった。12.3倍である。二番人気が4-3-1の13倍、1-3-4の15.8倍がそれに続くかたちであった。つまり、「ええいままよ!」の134ボックスが買われていったということである。

出色なのはもちろん、生田選手の腕が高く見込まれている、ということだ。そして、同支部の先輩に忖度しない生意気女、という風潮がしっかり舟券師達の心に刻み込まれている証でもある。3-4-1。捲られ切らないよう突っ張って捲るのか、それとも二号艇の外、一号艇の内を捲り差して、一号艇を捲って来た四号艇を受け止めるのか。想像できる展開の何れもが、強気かつ冷静な判断と技術が必要となるもので、これが一番人気とは、生田選手への期待感が如何に大きいかが自ずと推し量れようというものだ。

二桁倍だけれども一番人気、混迷予想の答え合わせは…

さて、発走である。ピット離れ~枠番通り。穏やかに進んだ待機行動からのスタートは、ご覧の通りであった。

二枚ともBOATRACE BBより。

トップスタートはA級四号艇。一号艇の大ベテランが凹んでしまい、外の艇に俄然チャンスが巡っているかたちだ。なかでも一番手は勿論、すぐ内側の生田選手より.05早いスタートを切ったA級選手である。このまま一気呵成に捲り一閃、と行きたいところであったろうが……、

BOATARCE BBより。

生田選手の伸びも良く、ガッチリと舳先が引っかかってしまう。こうなると、四号艇としては不良航法の減点を覚悟して無理矢理にでも内へ内へと生田三号艇を押し込んでいくか、一旦外へ開いて、差しを狙っていくしかない。A級選手は前者、つまりそのままの力圧しを選んだが、これが仇となった。

以上三枚とも、BOATRACE BBより。

モーターが良いのかペラが合うのか、生田選手は外から襲い掛かるA級選手の圧力を物ともせずに先捲り態勢。そのまま一号艇と二号艇をあっという間に引き波へ落とし込み、きっちり捲り切ってみせたのだった。一方、A級四号艇は万事休す。引き波に嵌る二号艇を捌けず、それどころかむしろそのまま弾かれる展開となり、上位争いから早々に退いていったのである。

結果的に、人気の三艇は生田選手の3しか絡まない3-2ー5で決着し、3連単は91.5倍の配当となった。舟券とは難しいものであるが、しかし、万舟券とならなかったあたり、やはり生田選手に安定した支持が集まりつつある証左であろう。

まだ終わらぬ、やんちゃ者の魂こもる走り。

二走目も生田選手は活躍を見せた。五号艇5コースから前を追うかたちであったが、三周目の1マークで、三番手を進むA級ベテラン選手に対して、果敢にツケマイを挑み、それがものの見事に成果を上げて、土壇場で3連単末尾の組み合わせが入れ替わるという、舟券師阿鼻叫喚の万舟券を演出してくれたのである。

以上二枚ともBOATRACE BBより。三周目1マークの攻防。黄色いカポックを纏うのが生田選手。青服のA級ベテランに襲い掛かる。

いよいよ優出に現実味が帯びて来たか…

開催三日目の予選を1着3着で終えた生田選手。四日目早朝現在の得点率は7.40で、ランキングは9位と、準優出圏内にその身をしっかりと置いている。

ボートレース戸田オフィシャルサイトより。

予選最終日を堅実にこなせば、恐らくは準優出、そして初の優出が目前に迫ることとなる。くれぐれも、先々月と同じ過ちは犯さないで頂きたい。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

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