今度は休養明け初週に勝ち星!柴田善臣騎手本年7勝目!!


巴里五輪と共に夏休みを満喫した筈の中央競馬最高齢騎手、柴田善臣氏(58歳/東/フリー)だったが、復帰後ひと月程たった2024年9月14日、今度はレース中の怪我で休養を余儀なくされてしまった。骨がどうにかなるような大事ではなく、10月第一週の復帰がしっかりと明言されての休養であり、一昨年のヘルニア療養を知る人々からすれば、其れほど動揺させられるような事態ではなかったものの、年齢も年齢ゆえ、筋肉量やレース勘の低下が心配されるところではあた。

<東スポ競馬のウェブサイトより>

何かと思い通りに進まない世の中で、予定通りの復活!

しかし上掲の通り、ご本人は周囲の不安を霧散させる飛び切りの笑顔で9月末の調教に登場し、土曜のレースで一鞍跨って人気通りの走りを披露した翌日、2024年10月6日の東京10Rで勝ち星を掴み取ったのだった。

<JRAの公式動画より。決勝線>

この日、東京第10Rはリステッド競走のグリーンチャンネルカップ。ダート1600m戦であった。柴田善騎手とコンビを組むのは、7月にも氏を背に人気薄の評価を痛快に裏切って3勝クラスを制したショウナンライシン(牡4歳/父エスケンデレヤ/東・大竹)だ。先行有利な小回りの福島競馬場で先団かたまっての大激戦を、九番人気ながら外からねじ伏せてみせたのは痛快であった。あれ以降は柴田善騎手が主戦騎手の座についたといって良く、二週後に同じく福島競馬場で開かれたリステッド競走で2着に入る活躍を見せている。

謎の低評価、前走2着の実績馬が何故?

今回はワンターンの広い東京競馬場。16頭立てのなか、内目の二枠4番を引いたのは芝スタートとなるダート1600m戦ではやや不利かと思われたが、それにしたって十一番人気はあんまりだろう。いくら重賞勝ち馬と一緒に走るからといって、前走で同格のオープン特別に2着入線している人馬に対しての評価が余りにも辛いのだった。人馬ともに休養明け、という点が不安を煽ったにしても、単勝46.6倍の大穴配当は甚だ疑問であった。

悪くも悪くも人気通りの展開に。

勝った前々走同様、低評価を覆す活躍が期待されたが、しかし、ショウナンライシンは発馬後少し外へ寄れ、出負けする格好となってしまった。そのため道中は後ろから二、三番手という、一般的なダート戦としてはかなり絶望的な状況に陥ったまま、即ち、誠に遺憾ながら人気通りといった位置取りを保ったまま、三、四とコーナーを回って直線を迎えることとなった。

<上下二枚とも、JRA公式動画より。上は三四角の中間地点。画面右端から二頭目がショウナンライシン。下は四角明け付近。画面真ん中で黒い帽子を被り赤と白の上衣を身に着けているのが柴田善騎手。いずれも最後方に近い位置取りであることがわかる>

ここが福島競馬場であったなら、まさしく絶体絶命、如何ともしがたい展開に嵌っていたが、ここは東京競馬場、福島よりも二倍近い距離の直線があるのだった。地方の小回りとは異なり、現段階ではまだ全頭に期待できるといっても過言ではないだろう。

内々のブロードアピールか。

事実、ここからの柴田善騎手とショウナンライシンは凄かった。内枠ゆえに内々を回って体力を温存していた人馬は、満を持して前を行く馬をかわしていくわけだが、自らより内枠から発走し、そのまま最内を通る二枠3番と一枠の人馬を外から抜かすと、前方が空かないと見るやすかさず躱した馬の前に潜り込むかたちで最内に進路を取り、そのままラチ沿いを突き抜けたのである。

<上下とも、JRAのパトロールビデオより。上は直線に入り100m近く走ったところ。黒い帽子に紅白の上着が眩しい柴田善騎手の内側では、黒い帽子の騎手と白い帽子の騎手がそれぞれ鞭を振るっており、柴田善騎手の佇まいに余裕すら感じさせる。下はその100mほど先。柴田善騎手が最内を陣取っている>

映像を見る限り末脚は強烈で、砂ながらナタの切れ味すら感じさせるものがあったものの、三年ながらそれは錯覚であった。

典型的なハイペースの前崩れ。

実はこのレース、前を行く馬々が道中で飛ばし過ぎていたのである。それを読み切っていた柴田善騎手が、最後の直線では力尽きて垂れてきた連中を、的確な操舵で右に左にと避けて捥ぎ取った1着であったにすぎないのだ。事実、最後の600mをメンバー最速の時間で駆け抜けたのは、後方から牛蒡抜きしたのだから当然だが、その数字は35秒3で、比較的時計の出やすい重馬場であったことを考慮すれば、圧倒的な数字とは述べ難い。

終わってから振り返ってみれば、本競走は、勝ち時計1分34秒2のうち、前半800mが45秒6、後半の同距離は48秒6と、3秒も差がついていたのである。出負けして後方から進むかたちになってしまったショウナンライシンだが、そのおかげで、我先に我先にとガツガツゴリゴリ脚とスタミナを消耗する先団争いに巻き込まれずに済んだわけで、却って大きな利を手に入れていたのであった。

十一番人気をひっくり返した人馬の未来は明るい。

先行しても好走、後方からでも好走、と死角のない活躍を見せてくれたショウナンライシンはまだまだ伸びる4歳馬であり、今後の重賞戦線を盛り上げてくれそうな一頭だ。また、柴田善騎手も休養ボケ等微塵もないことがこれで関係者各位に知れ渡ったわけで、最年長勝利記録の更新が続きそうである。重賞の最年長勝利記録が後輩に更新されてしまっているが、本競走を見る限り早期の奪回も期待できそうだ。


労働階級からの解放を志し、収入のアテもないのに突然脱サラ。後先考えないその姿勢に後悔しきり。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です